「年度末に道路工事が増える」は予算の使い切り?元公務員が明かす“3月の悪夢”と“税金の裏側”

春が近づく2月、3月。街を車で走っていると、あちこちで片側交互通行の看板を見かけませんか?
「なんで年度末にばっかり工事するんだ!」
「どうせ予算が余ったから、使い切るために無駄な穴を掘ってるんだろ?」
そんな市民の皆様の怒りの声、痛いほど分かります。私も公務員時代、何度もその言葉を投げかけられました。
今日は、元公務員であり、現在は土地家屋調査士として「役所の外側」から公共事業に関わる私が、「予算の使い切り」の都市伝説と、その裏にある切実な事情を暴露します。
【1】結論:「使い切り」はあるが、理由は「無駄遣い」ではない
世間のイメージ
「金が余った!来年に繰り越すと怒られるから、適当な道路を掘り返して使い切れー!」
役所のリアル
「ヤバい!4月から準備してた工事が、手続きや調整に時間がかかって、ようやく3月に着工できただけなんだ……(泣)」
いきなり結論ですが、「お金が余ったから急遽工事を入れる」なんてことは、今の役所ではほぼ不可能です。
なぜなら、道路工事を一つやるにも「設計」「入札」「契約」「住民説明」と、とてつもないプロセスが必要だからです。思いつきで3月に穴を掘ることはできません。
では、なぜ3月に工事が集中するのか? それには「日本の行政システムの欠陥」とも言える理由があります。
【2】魔のシステム「単年度会計」の罠
公務員を縛り付ける最大のルール、それが「単年度会計主義」です。
「4月1日から翌年3月31日までのお金は、その期間内に使い切らなければならない」という鉄の掟です。
悲しきスケジュール
- 4月〜6月:予算が成立。でもすぐには使えない。設計や調査の開始。
- 7月〜9月:測量や設計図の作成。
- 10月〜12月:入札で業者決定。契約締結。
- 1月〜3月:いざ着工!→ ここがピーク!
お分かりでしょうか。真面目に手続きを踏めば踏むほど、実際にショベルカーが動くのは冬から春にかけてになってしまうのです。
決して「慌てて使い切っている」のではなく、「ようやく間に合った」というのが現場の本音です。
【3】とはいえ存在する「予算消化」の心理
「じゃあ、無駄な使い切りは一切ないの?」と聞かれると、元職員として「NO」とは言えません。
特に物品購入(消耗品)などの小さな予算では、ある種の心理戦が働きます。
「おや、〇〇課さん。今年は予算が100万円余りそうですか? じゃあ来年の予算は、実績に合わせて100万円削っておきますね(ニッコリ)」
これが恐怖の「予算シーリング(枠)」です。
一度予算を返上してしまうと、「あ、そのお金なくても仕事回るんだね」と判断され、翌年の予算を減らされてしまう。
そのため、ボールペン、コピー用紙、新しい椅子……。「来年使うものだから、今のうちに買っておこう」という駆け込み購入が発生するのは事実です。
これは職員の私腹を肥やすためではなく、「来年度の市民サービスを守るための防衛策」という側面もあるのが、何とも皮肉なところです。
【4】まとめ:工事渋滞を見かけたら
もし来年の3月、道路工事の渋滞に巻き込まれたら、少しだけ思い出してください。
「ああ、彼らは無駄遣いをしているんじゃない。日本のガチガチな予算ルールの中で、必死に年度内に仕事を終わらせようとしているんだな」と。
元公務員の私からのお願いです。
役所の手続きや境界のことでお困りですか?
「役所の言っていることが分からない」「道路の立ち会いを求められたけど不安だ」
そんな時は、元公務員の土地家屋調査士・淵名にご相談ください。
役所の裏事情を知り尽くした私が、あなたの味方になります。
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