市役所で出世する人は何が違うのか 元人事担当が見た5つの特徴

愛知県新城市で行政書士・土地家屋調査士をしている淵名大輝と申します。社会人生活は東京都内の区役所からスタートし、窓口業務を3年、契約業務を5年、人事業務を3年、合計11年間、行政の現場で働いてきました。
このブログでは、行政書士・土地家屋調査士としての実務記事とあわせて、元公務員だからこそ書ける記事も発信しています。今回は、人事の仕事を担当していた経験から見えてきた、「役所で出世していく人」に共通する5つのことをお伝えします。
まずは、よく言われる一般的な話から
出世する人の特徴として、比較的よく語られる話が二つあります。
他部署との調整がうまいこと
役所の仕事は、過去との整合性をとることが前提になります。今回の判断が、この先の前例になってしまうからです。しかも、一つの担当が決めたことが、自分の部署だけでなく他部署の業務にまで影響することが少なくありません。
だからこそ、評価される人は、単に自分の担当範囲だけを見ていません。「この業務に関係する人や部署はどこか」「どういう調整をすれば前に進めるか」「落としどころはどこか」。この三つを早い段階で見極めながら動いています。目の前の判断だけでなく、その先の関係者まで見えているかどうかが、調整力の差になって表れます。
失点をしないことが大事だということ
役所で必要とされるのは、プラスを稼ぐ力そのものより、マイナスを出さない堅実さです。与えられた仕事を、ミスやトラブルなく、期限内に確実にこなす。この積み重ねが「安心して任せられる人」という信頼につながり、結果として難しい仕事を任されるようになります。
この二つは、役所に限らず、組織で働く人であればなんとなく想像がつく話だと思います。
ここからは、人事にいたからこそ分かったこと
ここからが、この記事でいちばん伝えたい部分です。人事の仕事を担当していた立場から見えていたのは、
実務能力そのもの以上に評価やポストを左右している、次の3つのことです。
「デキる人」という印象を持たれていること
役所の仕事は、民間の営業職のように、数字という目に見える成果が出にくい仕事です。だからこそ、良くも悪くも「印象」が評価に直結しやすくなります。仕事が速くて正確なこと、打ち合わせや会議で的確な提案ができることなど。
そうした積み重ねが「あの人はデキる」というイメージをつくり、次の評価やポストに大きく影響していきます。
「困難ポスト」「出世ポスト」と呼ばれる役職を経験していること
役所には、周囲から「大変な部署」「出世コース」と見られているポストがあります。実は、そのポストに就いているという事実そのものが、「この人はできる人だ」というイメージにつながります。
そして、そのポストで実際に仕事を確実にこなせば、「やはりこの人はできる、もっと任せてみよう」という評価が積み重なっていきます。
ポストに就くこと自体と、そこで結果を出すこと、その両方が評価を後押しします。
昇任意欲を見せていること、昇任試験を積極的に受けていること
役所によって違いはありますが、多くの自治体では役職ごとに昇任試験があります。試験を受けなければ、能力があっても昇任・出世はできません。
実際には、出世に必要な能力があり評価も高いのに、昇任意欲がなく試験を受けない人は意外と多くいます。
人事側からすると「能力はあるが昇任したくない人」と「能力は少し足りなくても昇任意欲が高い人」を比べた場合、後者の方が管理職候補として育成対象になりやすい傾向があります。
ここは人事にいたからこそ分かる話ですが、昇任意欲があり、試験を積極的に受けている人は、人事側もしっかり把握しています。評価がそこまで高くない人や、試験に落ちた人であっても、そうした人は長い目で見られ続けます。
本人のモチベーションを維持・向上させるため、あるいは実際に昇任ポストの仕事をこなせるかを見極めるために、あえて出世ポストや困難ポストに配置されることもあります。
私の実感としての重要度
前半の2つは、比較的よく言われる一般論です。しかし、人事や上司、組織の上層部が実際に重視しているのは、後半の3つだというのが私の実感です。
個人的な感覚での重要度は、昇任意欲>ポスト経験>印象>調整力>失点しないこと、という順番です。
おわりに
今の職場での評価に迷っている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。行政書士・土地家屋調査士として独立した今も、この5つの視点は、役所と付き合ううえでの基本になっています。

