【2026年10月】在留資格の更新・永住手数料が大幅値上げ|新料金と注意点を解説

「在留期間の更新手数料が値上がりしたって本当?」
「永住許可の手数料が20万円になったと聞いたけど、いつから?」
「9月中に申請した分は、新しい料金になるの?」
「外国人社員の更新費用、会社としてはどのくらい見込めばいい?」
2026年10月1日から、在留資格の変更・在留期間の更新・永住許可の手数料が大幅に改定されました。これまで一律6,000円だった更新手数料は最大で7万5,000円、永住許可は1万円から20万円へと引き上げられています。
9月末には全国の入管窓口に駆け込み申請が殺到し、大きなニュースにもなりました。日本で暮らす外国人の方だけでなく、外国人材を雇用する企業にとっても、年間のコストに直結する重要な改定です。
この記事では、出入国在留管理庁の公表内容をもとに、新しい手数料の仕組み、誤解しやすいポイント、企業が今からできる備えを、元区役所職員の行政書士がわかりやすく解説します。
💡 本記事の結論
在留資格の変更・更新の手数料は、「許可された在留期間が長いほど高くなる段階制」に変わりました。
そして、旧料金と新料金の分かれ目は許可日ではなく「申請の受付日」です。1回あたりの負担は増えますが、長い在留期間が許可されれば、1年あたりの負担は抑えられる仕組みになっています。
それでは、改定の中身を順に見ていきましょう。
📰 在留手数料の改定とは?2026年10月の変更点を整理
法律で「上限」、政令で「実際の額」を定める仕組み
今回の改定は、次の2段階で進められました。
- 改正入管法(2026年5月29日成立、6月5日公布): 手数料の上限を、在留資格の変更・更新は10万円、永住許可は30万円と法律で定めました。
- 改正入管法施行令(10月1日施行): 上限の範囲内で、実際に納める額を政令で定めました。
「永住は30万円になる」という話を耳にした方もいるかもしれませんが、それは法律上の上限額です。実際に納める額は20万円です。
対象は「変更・更新・永住」の3つ
改定の対象は、在留資格変更許可・在留期間更新許可・永住許可です。海外から外国人を呼び寄せるときの「在留資格認定証明書」の交付申請には、これまでどおり手数料はかかりません。ただし、入国後の更新からは新しい料金が適用されます。
💴 新しい手数料一覧(変更・更新・永住)
在留資格の変更・更新は、許可される在留期間に応じた7段階の料金になりました。改定前は、期間にかかわらず窓口6,000円・オンライン5,500円の一律でした。
| 許可される在留期間 | 窓口申請 | オンライン申請 |
|---|---|---|
| 3月以下 | 10,000円 | 10,000円 |
| 3月超6月以下 | 18,000円 | 15,000円 |
| 6月超1年未満 | 25,000円 | 21,000円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 |
| 1年超3年未満 | 48,000円 | 42,000円 |
| 3年以上5年未満 | 64,000円 | 56,000円 |
| 5年以上 | 75,000円 | 65,000円 |
| 永住許可 | 200,000円(窓口のみ) | |
永住許可は、改定前の1万円から20倍の20万円となりました。また、更新手数料の5年以上(窓口)は、改定前の約12.5倍です。
出典:出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」
🧭 押さえておきたい3つのポイント
① 手数料の額は「許可された在留期間」で決まる
最も誤解されやすいのがこの点です。手数料は申請の種類ではなく、審査の結果として許可された在留期間で決まります。
たとえば「3年」を希望して更新申請をしても、許可が「1年」であれだ33,000円、「3年」であれば窓口で64,000円です。そのため、申請の段階では金額が確定しません。窓口申請なら審査後に届くはがき、オンライン申請なら審査完了後の決済案内メールで、はじめて金額がわかります。
② 旧料金か新料金かは「受付日」で決まる
入管庁は、2026年9月30日までに受け付けられた申請は、許可が10月1日以降になっても改定前の手数料と案内しています。逆に言えば、10月1日以降に受け付けられた申請は、すべて新料金です。
なお、更新申請は原則として在留期間満了のおおむね3か月前からです。「値上げ前に出しておけばよかった」と後悔される方もいますが、在留期限が2027年1月以降の方は、そもそも9月中に更新申請をすることができませんでした。これからの更新は、新料金を前提に考える必要があります。
③ オンライン申請は安いが、収入印紙は使えない
オンライン申請は、3月以下の区分を除き、窓口より最大1万円安く設定されています。ただし、納め方も変わりました。
- オンライン申請: 収入印紙は使えず、コンビニ決済または銀行決済で納付します。手数料とは別に決済手数料がかかります。
- 窓口申請: 従来どおり収入印紙で納めます。許可期間によって額が変わるため、必要な印紙の額面も変わります。
🧩 長い在留期間ほど「1年あたり」は割安になる
段階制では、1回あたりの額は在留期間が長いほど高くなります。しかし、更新の回数が減るため、1年あたりの負担は逆に軽くなります。窓口申請で単純計算すると、次のとおりです。
| 許可される在留期間 | 1回の手数料 | 1年あたりの負担 |
|---|---|---|
| 1年 | 33,000円 | 33,000円 |
| 3年 | 64,000円 | 約21,300円 |
| 5年 | 75,000円 | 15,000円 |
つまり、長い在留期間を許可してもらえるかどうかが、そのまま費用の差になるのです。
在留期間の長さは、税金や社会保険料の納付状況、届出義務の履行、勤務先の安定性などを踏まえて入管が判断します。日頃から適正な在留状況を保つことが、これからは最も確実な「節約策」と言えます。
🏢 外国人を雇用する企業への影響
影響は「雇用している人数 × 更新の回数」で積み上がります。たとえば、1年の在留期間で毎年更新している外国人社員が5名いる場合、窓口申請の手数料は年間3万円から16万5,000円に増える計算です。
手数料を会社と本人のどちらが負担するかは、法律で定められていません。報道では、社員本人分を全額補助する企業も出てきています。企業としては、次の3点を早めに整理しておくと安心です。
- 在留期限の一覧を作る: 氏名・在留資格・在留期限を一覧にすれば、年間の費用と更新時期が一目でわかります。
- 負担のルールを決める: 金額が数倍になるため、雇用契約や社内規程で取り決めておかないとトラブルの原因になります。
- オンライン申請の体制を整える: 額面が安く、印紙の手配も不要です。決済案内は登録したメールアドレスに届くため、担当者の変更にも注意が必要です。
🏛 元公務員から見た「手数料」の考え方と改定の背景
私は区役所に11年勤めていました。役所の手数料には、「その手続きで利益を受ける人に、費用の一部を負担してもらう」という受益者負担の考え方があります。住民票の写しの手数料も、同じ考え方に基づいています。
今回の改定もこの考え方に立っています。法務大臣(当時)は、在留外国人の増加で出入国・在留管理の費用が増えるため、在留外国人にも相応の負担を求める必要があると説明しています。審査の実費だけでなく、管理の費用も勘案した金額ということです。
海外と比べると、永住権の申請料はドイツや韓国が日本円で約2万円、米国が約21万〜22万円、英国は60万円台とされています。日本の20万円は米国とほぼ同じ水準です。ただし、要件や審査の範囲は国ごとに異なるため、単純な比較はできません。
一方で、当事者である外国人の方からは、負担の重さを訴える声も報じられています。制度の是非には様々な意見がありますが、実務家としては、まず正確な情報を持って計画的に備えることが大切だと考えています。
減額されるのは限られたケースのみ
今回の改正では、手数料を減額できる仕組みも設けられました。ただし対象になるのは、生活保護の要保護者に準ずるほど生活に困窮していて、かつ、人道上の配慮が必要な方です。どちらか一方だけでは対象になりません。企業で普通に働いている方は、基本的に原則どおりの額で考えておきましょう。
❓ 在留手数料の改定でよくある質問
Q. 9月中に申請して、許可が10月になった場合はどうなりますか?
A. 9月30日までに受け付けられていれば、改定前の手数料(変更・更新6,000円、永住1万円)です。
Q. 申請前に手数料の額を確定させることはできますか?
A. できません。額は許可された在留期間で決まるため、過去に許可された在留期間を目安に予算を立てるのが現実的です。
Q. 海外から呼び寄せるときにも手数料がかかりますか?
A. 在留資格認定証明書の交付申請には、手数料はかかりません。入国後の更新から新料金が適用されます。
まとめ
今回は、2026年10月から始まった在留手数料の改定について解説しました。重要なポイントを整理しておきましょう。
- 変更・更新の手数料は、一律6,000円から在留期間に応じた段階制(窓口1万円〜7万5,000円)になった。
- 永住許可の手数料は、1万円から20万円になった。
- 額は「許可された在留期間」で決まり、旧料金か新料金かは「受付日」で決まる。
- オンライン申請は安いが、収入印紙は使えず決済手数料がかかる。
- 長い在留期間が許可されれば、1年あたりの負担は軽くなる。
手数料が上がった今だからこそ、「書類の不備で何度も窓口に通う」「必要以上に短い在留期間で許可される」といったことを避けたいところです。準備の質が、そのまま費用に直結する時代になったと言えます。
※本記事は2026年10月時点で出入国在留管理庁が公表している情報に基づいています。実際の手続きでは、入管庁の最新情報もあわせてご確認ください。
📝 次回予告
連載「外国人在留制度の最新動向」の次回は、永住許可の新ガイドラインを取り上げます。年収や年金、日本語能力など、審査で見られるポイントがどう変わるのかを解説する予定です。
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「次の更新ではいくらかかる?」「外国人社員の更新時期をまとめて確認したい」「永住申請を検討しているが、今申請して大丈夫?」といったご相談をお受けしています。手数料が上がった今だからこそ、一度で通る準備を一緒に整えましょう。
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- 元区役所職員11年の行政書士: 窓口・契約・人事を経験し、行政が書類のどこを見るのかを身をもって知っています。
- 行政書士×土地家屋調査士: 在留資格だけでなく、住まいや土地・建物に関するご相談にも幅広く対応できます。
- 地元・東三河に密着: 新城市を拠点に、豊川市・豊橋市など東三河の個人・企業の皆さまのご相談に、誠実に対応いたします。
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行政書士・土地家屋調査士 ふちな事務所(愛知県新城市字井道27番地)
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