市役所の窓口受付時間が短縮へ|愛知県でも広がる理由と、行く前に確かめたいこと

「夕方に市役所に行ったら、もう窓口が閉まっていた」
「前は5時までやっていたはずなのに……」
こんな経験をした方もいるのではないでしょうか。実はここ数年で、役所の窓口受付時間を短くする自治体が全国で増えています。愛知県内でも、2025年から2026年にかけて、短縮に踏み切る市が相次いでいます。
行政書士や土地家屋調査士、司法書士などの士業は、役所の窓口に足を運ぶ機会がとても多い職業です。それも、現地調査や打ち合わせの「ついで」に寄ることが少なくありません。その分、知らないうちに受付時間が変わっていたという話も、身近でよく聞くようになりました。
この記事では、窓口時間の短縮がどう広がっているのか、なぜ短くなっているのか、そして役所に行く前に何を確かめておけばよいかを、元区役所の窓口担当で、今は士業として役所に通う立場からまとめます。
💡 本記事の結論
窓口の受付時間を、午前9時から午後4時、または午後4時30分までに短くする自治体が増えています。近所の役所なら情報も入りやすいのですが、注意したいのは遠くの自治体や、あまり行かない自治体です。出かける前に、受付時間を確かめる習慣をつけておきましょう。
📰 愛知県内でも広がる窓口受付時間の短縮
多くの役所では、これまで窓口の受付時間を午前8時30分から午後5時15分としていました。これを短くする自治体は、2026年2月時点で全国に約180あるとする調査もあります。愛知県内でも、たとえば次のような市が受付時間を変えています。
| 自治体 | 変更後の受付時間 | 開始時期 |
|---|---|---|
| 江南市 | 窓口・電話とも 9時〜16時 | 2025年10月 |
| 愛西市 | 窓口 9時〜16時 | 2025年12月 |
| 蒲郡市 | 窓口 9時〜16時30分(試行) | 2026年5月 |
| 清須市 | 窓口 9時〜16時 | 2026年5月 |
| 安城市 | 窓口・電話とも 9時〜16時 | 2026年6月 |
| 高浜市 | 開庁時間・電話とも 9時〜16時 | 2026年6月 |
| 豊田市 | 窓口・電話とも 9時〜16時 | 2026年10月 |
東三河でも、蒲郡市がすでに試行を始めています。始まりはどこも「午前9時」ですが、終わりは午後4時のところもあれば、午後4時30分のところもあります。くわしい中身も、自治体ごとにかなり違います。
- 電話の受付時間: 蒲郡市のように電話は従来どおりのところもあれば、江南市や安城市、豊田市のように電話も短くしたところもあります。
- 庁舎そのものが開いているか: 蒲郡市や愛西市は、窓口の受付は短くしても、庁舎は従来どおり午前8時30分から午後5時15分まで開いています。一方、高浜市は開庁時間そのものを変えています。
- 対象の施設: 本庁舎だけでなく、支所や保健センターまで含めるかどうかも、自治体によって違います。
つまり、「どこも同じ」ではないのがやっかいなところです。
🧭 なぜ窓口時間が短くなっているのか
各自治体が公表している理由は、おおむね次の3つにまとめられます。
① 窓口を開ける前と閉めた後にも仕事がある
これまで窓口の受付時間は、職員の勤務時間とほぼ同じに設定されていました。ところが窓口の仕事は、住民の方と向き合う時間だけでは終わりません。朝は開庁前に現金や端末の準備、夕方は閉庁間際に来た方の対応や、その日の締めの事務があります。
その結果、準備や後片付けが毎日のように時間外勤務になっていた、と説明している自治体が多くあります。窓口の内側にいた立場からすると、この説明にはうなずくところが多いです。
② そもそも窓口に来る人が減っている
マイナンバーカードを使ったコンビニ交付や、オンライン申請が広がり、窓口に来る人そのものが減っています。豊田市も、電子申請やコンビニ交付の普及を、受付時間を見直す理由のひとつに挙げています。
③ 朝と夕方の来庁者はもともと少ない
時間帯ごとの来庁者を調べると、朝と夕方に来る人はもともと多くありません。豊田市では、午前8時30分〜9時と午後4時〜5時15分に来た人は、全体の1.5割未満でした。清須市でも、来庁者の8割5分ほどが午前9時から午後4시에集中していたそうです。利用が少ない時間帯を外して、その分を事務処理や相談業務にあてる、という考え方です。
なお、多くの自治体では職員の勤務時間そのものは変わっていません。「職員が早く帰れるようにした」という話ではなく、「窓口を開けている時間」と「職員が働いている時間」を切り分けた、という理解のほうが正確です。
⚠️ 気をつけたいのは「遠くの自治体」「あまり行かない自治体」
住んでいる町や、よく行く近所の役所であれば、それほど心配はいりません。広報誌や庁舎の掲示で知らせが出ますし、士業であれば窓口の職員から直接聞くこともあります。万が一閉まっていても、また改めて行けば済みます。
困るのは、遠くの自治体や、めったに行かない自治体です。そういうところの変更は、そもそも情報が入ってきません。私自身は幸いあまり経験がありませんが、「時間をかけて行ったのに、着いたら窓口が閉まっていた」という話は、知り合いからよく聞きます。移動に半日かけたところで窓口が閉まっていたら、取り返しがつきません。
実家のある町で相続の手続きをする、引っ越し前に住んでいた町で証明書を取る、といった場面は、士業でない方にもよくあります。同じ注意が当てはまります。
出かける前に確かめたい3つのこと
- 1. 「開庁時間」ではなく「窓口の受付時間」を見る: 蒲郡市や愛西市のように、庁舎は開いていても窓口の受付は終わっている、ということがあります。自治体のホームページで「受付時間」の表記を確かめましょう。
- 2. 用事のある部署ごとに確かめる: 一部の窓口だけが短縮対象になっていることもあります。複数の部署を回るなら、いちばん早く閉まる窓口に合わせて予定を組みます。
- 3. 心配なら前日までに電話する: 電話の受付時間も短くなっている自治体があるので、電話は余裕をもって早めの時間に。受付時間外にしか行けない場合も、事前に相談すれば対応してもらえることがあります。
郵送やオンラインで済む手続きなら、そもそも出かけないという選択肢もあります。遠方の役所ほど、一度確かめてみる価値はあります。
まとめ
- 窓口の受付時間を「9時〜16時」や「9時〜16時30分」に短くする自治体が、愛知県内を含め全国で増えている。
- 理由は、窓口の準備や後片付けが時間外勤務になっていたこと、コンビニ交付などで来庁者が減ったことなど。
- 電話の受付時間や対象の窓口は、自治体ごとに違う。
- 特に注意したいのは、遠くの自治体や、あまり行かない自治体。
- 出かける前に「窓口の受付時間」を確かめ、心配なら前日までに電話で確認する。
「前はこの時間でも大丈夫だった」という感覚が、いちばん危ない時代になっています。久しぶりの役所に行くときほど、ひと手間かけて確かめておくのが安心です。
※本記事の内容は、各自治体が公表している情報をもとにしています。受付時間は変更されることがあるため、必ず各自治体の最新の案内をご確認ください。
📚 あわせて読みたい記事
📮 ふちな事務所について
元区役所職員(11年)の行政書士・土地家屋調査士として、新城市を拠点に東三河エリアで活動しています。「平日に役所へ行く時間が取れない」「遠くの町の手続きもあって大変」といったときは、許認可の書類作成や土地・建物の登記など、お手伝いできることがないかお気軽にご相談ください。
📞 お電話:0536-23-3470(平日 8:30〜17:00)
人気ブログランキング

