【実例紹介】遠方の土地を有効活用!境界確定測量と分筆で「売却」と「賃貸」を同時に叶える方法

【事例紹介】遠方の土地を有効活用するために。境界確定測量と土地分筆で「売却」と「賃貸」を同時に叶える

こんにちは。行政書士・土地家屋調査士の淵名です。遠方に所有している土地の管理や、相続した土地の活用方法にお困りではありませんか。「草刈りや管理が大変で……」「一部は手元に残しつつ、一部は売却したい」といったご相談は、実は非常に多く寄せられます。

※本記事で紹介する事例は、依頼者様のプライバシーおよび個人情報保護の観点から、一部の内容を修正・アレンジしておりますが、実務上の重要なプロセスについては事実に基づき構成しております。

今回は、懇意にさせていただいている仲介不動産会社様よりご相談いただいた、「遠方にある所有地の境界確定測量および分筆」の実例をご紹介します。土地の有効活用において、境界を明確にすることは最初の一歩であり、最も重要な工程です。専門家の視点から、その実務のプロセスを詳しく解説します。

今回のケースは、遠方の土地を「お隣の方への駐車場貸し」と「第三者への売却」という2つの用途に分けたいというご依頼でした。境界線が不明確なままでは、分筆(一筆の土地を二筆以上に分ける登記手続き)や売却は非常に困難です。法的な手続きを経て境界を確定させ、土地を適正に分けるまでの一部始終をお話しします。

相談のきっかけと事前の資料調査

依頼は、仲介不動産会社様からでした。所有者様は遠方にお住まいで、土地の管理維持が大きな負担になっていたとのこと。「お隣さんから駐車場として借りたいとの申し出があるため、その部分だけ貸したい。残りの土地は売却したい」という要望をいただき、調査を開始しました。

まず、不動産登記記録や公図を確認します。さらに、法務局に保管されている「地積測量図」の有無を調査し、過去の測量履歴や境界確定の状況を照らし合わせます。この初期段階での精緻な調査が、土地分筆の可否や測量計画の精度を大きく左右します。

現地踏査と見積もりの提示

資料調査の結果を基に、現地踏査(現況確認)を行いました。現況のフェンスや境界杭の有無、道路との高低差、越境物の有無を入念にチェックします。遠方の土地は所有者様自身が現場の状況を詳細に把握していないことが多いため、境界紛争のリスクや隣接地からの越境状況など、将来のトラブルにつながりかねない懸案事項を事前に洗い出しました。

法務局の図面と、実際の現地が完全に一致しているとは限りません。踏査では、隣接地所有者様との間で長年認識がずれている箇所がないか、現地特有の境界状況を専門家の視点で読み解いていきます。

関係各所への挨拶と境界確定の手続き

見積もりをご承諾いただき、正式に業務を開始しました。まずは、境界を確定させるために隣接地の所有者様へ測量立会いのお願いとご挨拶に伺います。境界確定は一人では完結できず、隣地の方々の同意と捺印が不可欠です。市道や公道に接している場合は、市役所へ公有地境界確認申請を行います。

この段階で感情的な対立や過去の境界の認識違いを整理・解消しておくことが、後の円滑な登記手続きにつながります。

測量、境界の合意、そして確認書の受領

現地にて測量を実施します。今回の現場には特有の懸案箇所があったため、状況に応じて詳細な測量を重ね、境界案を策定しました。その後、作成した図面を基に現地にて、隣接地所有者様および市役所の担当者を含めた関係者全員による立会いを実施し、境界の確認・合意を得ました。

合意が得られた境界点には、永続性のある「境界標」を設置します。最後に測量成果を反映した確認図面を市役所へ提出し、正式に「公有地との境界確認書」の発行を受けました。この公的な証明が、登記申請における重要な根拠となります。

分筆登記と完了

確定した境界線を基に、法務局へ土地分筆登記を申請します。今回は「駐車場用地」と「売却用地」に土地を分け、それぞれに新しい地番を付与しました。登記が完了することで、所有者様は安心して売却や賃貸の手続きを進めることが可能となります。

分筆は、測量で得た正確な数値に基づき資産価値を確定させる重要な手続きです。これにより、今後の売買や抵当権設定がスムーズに行えるようになります。

おわりに:早めの対策で資産の価値を守る

今回のケースのように、境界を確定させ分筆を行うことは、遠方の土地を有効に活用するための最短ルートです。土地の境界は「見えない資産」といえます。早めに整理することで、不要な紛争を避け、将来の相続や売却の準備を整えることができます。

「土地の境界が分からない」「一部を分けたいが何から始めればいいか分からない」とお悩みの際は、お一人で悩まず専門家である私たちにご相談ください。現地調査から登記申請まで、確実な実務でワンストップでサポートいたします。